自然体験プログラムづくり

はじめに

企画=思いをかたちに

 良質な自然体験活動を展開していくためには、その機会を提供する役割が必要となります。「機会の提供」とは、時間と場所、そして人やモノを揃えるということに他なりません。その場にふさわしい機会の設定をしていく営みのことを「企画」と呼びます。

 「いしかわ自然学校」をはじめとする県下の自然体験活動の展開にあたっても、現場で子どもたちと接したり、自然のガイドを務めるような直接的な役割と同時に、「場を設定して機会を創出していく」間接的な役割が非常に大切であると認識する必要があります。

 企画は、自分自身の「思い」を確認することからスタートします。いまの社会を認識し、その問題状況をみつめ、そこに課題をもって関わっていこうとすることが出発点でしょう。
いしかわの自然、地球環境、人々のライフスタイル、青少年世代などへの真摯なまなざしが求められるとも言えます。
書物やマスメディアから得る情報だけではなく、「実際の現場」に身を置き、自分の五感や直感を大切に生きている人は企画のいいセンスがあると思います。

 「もうやめとこうか」と投げ出したくなるような場面が何度もでてくることもあるかもしれません。だからこそ「自分自身の思い」が支えとなるのです。そして「思い」が「かたち」となったときには自分自身が最高のお客さんとして、人一倍楽しみ、また喜べるのです。これが企画とプロデュースの醍醐味です。

評価=そこにかかわるひとりひとりの成長のために

 「いしかわ自然学校」で展開されるプログラムやその指導者、参加者たちは完成されたものではありません。
常に成長し続けることができるものです。
「評価」とは、指導者と参加者、そしてプログラム自体の成長のために、次のより良い「いしかわ自然学校」をつくるために行うものです。
「次の事業の改善のため」に評価があり、「改善を習慣化するための科学的手法」であるとも言えるでしょう。

 つまり参加者、指導者、そして事業そのものも、DO(やってみる)→ LOOK(評価する)→THINK(考える)→GROW/PLAN(成長/次の計画)→DO(また、やってみる)という体験学習の循環過程で成長していけるのです。
単に指導者個人の資質を問うたり、「あのときの準備が足りなかったね。」などと反省を促すものだけではなく、工夫して取り組んだ事柄がどうであったのかを検証したり、学びあう場の改善や改革にむけたトータルな視点からの提案であると考えるべきでしょう。

 また事業終了後だけではなく企画段階やプログラム実施中にも「評価」という視点を持ち続けることが大切です。