2026/09/09 白板こんぶの押し寿し ~自然環境の変化とともに考える 金沢の伝統食の未来~
白板こんぶの押し寿し ~自然環境の変化とともに考える 金沢の伝統食の未来~
実施日:2026/09/09
実施団体名:NPOエコラボ 中村早苗
参加人数:25名 おとな20名 スタッフ5名
金沢の伝統食「白板こんぶの押し寿し」を題材に、自然環境の変化が、私たちの食文化にどのような影響を与えるのかを考える講座を開催しました。
講師は金沢市在住の浅野春美さん。ご家族や親戚、友人に作ってきた押しずしを、今回は講師として実演していただきました。
使い慣れた道具や食材を並べ、家庭で作り続けるための工夫も紹介しながら、押しずしを仕込んでいきます。今回は魚の代わりに、みょうがを使った講師オリジナルの押しずしです。
押しずしを仕込んでいる間には、NPOエコラボから、昆布を取り巻く自然環境や生産の変化について説明しました。
北海道は、日本で食べられている昆布の約9割を生産しています。その昆布の生産量は長期的に減少しており、近年は海水温の上昇による生育への影響も指摘されています。
しかし、問題は「昆布の生産量が減っている」ということだけではありません。
白板昆布は、昆布を乾燥させればできるものではなく、昆布を寝かせ、表面を削り、薄く加工する熟練した技術によって作られます。生産する人だけでなく、加工する人、取り扱う事業者など、さまざまな人の仕事によって、私たちの食卓に届いています。
つまり、自然環境の変化は、食材そのものだけでなく、それを支える産業や技術、そして地域の食文化にも影響を及ぼします。
今回の講座では、こうしたつながりを「白板昆布」という一つの食材からたどりました。
そして、実際に押しずしを味わった後、
「自然環境や昆布の生産・加工をめぐる状況が変わる中で、この伝統食を未来につないでいくには、私たちに何ができるでしょうか?」
という問いをもとに、グループで意見を出し合いました。
「母や祖母が作ってくれた伝統食を思い出した」
「作ってみたいと思っていたけれど、先代から習う機会がなかった」
「気候変動によって貴重な材料が入手しにくくなる時代に、次の世代につなぐ機会をつくりたい」
参加者からは、それぞれの経験や思いをもとに、さまざまな意見が出されました。
伝統食は、昔から変わらないものとして保存するだけではなく、自然環境、生産、加工、そして人から人への継承というつながりの中で考える必要があります。
今回の学びを通して、身近な「食」の背景に、海の環境や地域の産業、受け継がれてきた技術があることを改めて感じました。
自然の恵みと、それを支える人たちがあってこそ生まれる食文化。
そのつながりを知ることが、伝統食を未来へつないでいくための、最初の一歩になるのではないでしょうか。
活動の様子:


