シロアリを自在に操る方法!? 〜道しるべフェロモンの実験〜
開催日:令和元年8月3日(土) 13時30分~15時00分
開催場所:石川県立自然史資料館
参加者:子ども14名 大人13名
シロアリと言えば、家を食べてしまう害虫としてのイメージが強いですが、自然界では森の中の朽木に生息し、「分解者」としての役割を果たしています。この講座では、日本の本州で最も一般的な種類であるヤマトシロアリを用い、顕微鏡による観察とペンを使った道しるべフェロモンの実験を行いました。
はじめに講義を行い、シロアリという昆虫について理解を深めた上で、シャーレ上のシロアリを実体顕微鏡で観察しました。シロアリの巣の中には、働きシロアリと兵隊シロアリがおり、それぞれ果たす役割が異なっています。兵隊シロアリは巣の防衛を行うので、つまようじで突っつくと、アゴでかみつこうとします。参加者は、初めて見る小さな兵隊シロアリのアグレッシブな行動に驚き、見入っていました。
次に、鉛筆・ボールペン・マジックペンを用いた対照実験を行い、どれにヤマトシロアリの道しるべフェロモンに似た物質が含まれているのかを調べました。実験の結果、シロアリはボールペンの跡を辿ったことから、ボールペンにフェロモンに似た物質が含まれていることがわかりました。参加者は、はじめはおそるおそるシロアリの様子を観察していましたが、慣れてくると、ボールペンで文字や線を書けばシロアリの進む方向を自由に誘導できることを知り、時間が経つのを忘れて実験を楽しんでいました。
害虫というネガティブな先入観にとらわれず、その面白い生態に目を向けることで、自然科学に関する理解と興味・関心を深めることができたと思います。
当館では、他にも色々なイベントを実施していますので、是非ご参加ください。
石川県立自然史資料館ホームページ: https://www.n-muse-ishikawa.or.jp/