加佐ノ岬で植物観察会 -ノハナショウブを見に行こう-

開催日:平成29年6月18日(日) 13時30分~16時00分 
開催場所:加賀市加佐ノ岬
参加者:子ども1名 大人13名

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 加佐ノ岬周辺は長さ約5kmの海食崖で知られた景勝の地です。この海食崖の各所にハナショウブ(花菖蒲)の原種といわれるノハナショウブの群落が見られます。加佐ノ岬の海食崖上は、凝灰質砂岩の上に砂が堆積した地層で、砂の層を浸透した雨水が岩上を流れるために、崖上は湿地となっています。ノハナショウブは小さな湿地に生育することが多く、加佐ノ岬のような群生地は全国的にも貴重です。
 ノハナショウブのメインの観察地まで植物を観察しながら遊歩道を歩きました。遊歩道沿いのナンテンハギやキリンソウ、ウツボグサなど、開花中の植物を観察しました。ノハナショウブも所々で開花していました。岬の先端付近では、ハマボッス、ハマゼリ、ハマヒルガオなど、海岸ならではの植物が見られました。お目当てのノハナショウブ群生地は、海に突き出た岩棚上です。ロープにつかまりながら降りる場所なので、今回の観察会では安全のために降りませんでした。それでも、見下ろすノハナショウブの群生の見事さに参加者一同感嘆しました。また、降りる手前にも多くのノハナショウブが咲き乱れ、ノハナショウブ以外の湿地の植物も見ることができました。
 湿地環境は、遷移によって自然に消滅してしまいます。新しい湿地も開発等によって生まれにくい今日では、加佐ノ岬のような湿地が保たれやすい環境は非常に大事な場所であることを学習しました。