シロアリを自在に操る方法!? 〜道しるべフェロモンの実験〜

開催日:令和2年8月1日(土) 13時30分~15時00分 
開催場所:石川県立自然史資料館
参加者:子ども7名 大人2名 

 シロアリは「白蟻」と書くことから、アリの仲間だと思う人が多いかもしれませんが、実はゴキブリやカマキリに近い昆虫です。人の社会では害虫としてのイメージが強い一方で、生態系の中では森の中の朽木を食べて分解する役割を果たしています。この講座では、北陸地方でよく見られるヤマトシロアリを用い、顕微鏡による観察とペンを使った道しるべフェロモンの実験を行いました。

 最初にシロアリについての講義を行い、その後シャーレに入れたシロアリを顕微鏡で観察しました。シロアリの社会は分業体制によって成り立っており、働きシロアリが育児や巣内のそうじを行い、兵隊シロアリが外敵から巣を守ります。参加者は、普段じっくり見る機会のないシロアリの姿や行動に驚いていました。

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 次に、シロアリの道しるべフェロモンが働く様子を簡単な実験で確かめました。鉛筆、ボールペン、マジックペンのどれかに、シロアリの道しるべフェロモンに似た物質が含まれているのですが、参加者は答えを知りません。それぞれのペンで文字を書き、シロアリがどのペンで書いた文字をたどるかを検証した結果、ボールペンの文字をたどることがわかりました。参加者は、他にも好きな絵や図形を書き、シロアリがボールペンの跡をたどる様子に見入っていました。

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 害虫という先入観にとらわれず、その面白い生態に目を向けることで、自然科学に関する理解と生き物への興味・関心を深めることができたと思います。

当館では、他にも色々なイベントを実施していますので、是非ご参加ください。

石川県立自然史資料館ホームページ: https://www.n-muse-ishikawa.or.jp/