県民白山講座① 白山登山と高山植物の集い

開催日:平成30年6月16日(土)
場所:白山市民交流センター・大会議室
プログラム情報:県民白山講座①「白山登山と高山植物の集い」いしかわ自然学校HP

夏山シーズンを目前に、白山登山を考えている方々に、もっと白山の魅力を知っていただくため「白山県民講座」の第1回を開催しました。
今回は、まず、日本登山医学会認定の山岳医である上家和子先生による、登山にあたっての体調管理・登山中の救急についての講演でした。

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これだけ多くの一般の人が高山に足を踏み入れているのは日本くらいだそう。山小屋の診療所にも勤務されていた経験から、山に入る時のしっかりとした心得をもっと多くの人に持ってほしいという願いを強く訴えていらっしゃいます。
そのお話の内容は、以下のように実に具体的でした。

●山での遭難で一番多いのが道迷い。鉄則!迷ったら必ず登る。降りてはいけない。

●急性高山病の対処方法は、それ以上登らない。寝るのではなく座っている(呼吸のしやすさ)鼻から吸って口をすぼめて吐く「すぼめ呼吸」で対処する。

●熱中症や脱水は本人が気づきにくく急変しやすい。フラフラしていたり行動がおかしいと感じたら周囲の人が注意する。

登山の前1か月以内に献血はしない。新しい血液ができるのには1か月かかる。思わぬ貧血になる。

●虫刺されは水で洗い流す。ステロイド含有の薬を持っていると良い。

●巻き爪を防ぐために→下りの時はくつひもをしっかり結ぶ。大きすぎる靴は靴擦れになる。

●下山後のストレッチと栄養補給も重要。山を降りたら中華か焼肉!

●登山中に必要な水分量の目安(ml)=体重(kg)×行動時間(h)×5(ml)

●ペースに無理がないかと判断する脈拍数の目安=心拍数/分<180-年齢...この心拍数を越えない。

●登山中に消費するカロリー(kcal)=メッツ(専用の単位。荷物が5kgを越えないなら6メッツ、以上なら8メッツ)×体重×運動時間×1.05 ...その半分を行動中に摂取する。

ちなみに、水分やカロリーは登山の前日や登る前に摂取しておいてもOKです。
こういった計算式があれば、自分の登山にどれだけの水分と食料が必要なのか、の目安になりますよね。

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その後、自然保護センター・平松と石川県自然解説員研究会・宮下による、登山装備の説明、後半は「白山の花を楽しむ」といったタイトルで石川県自然解説員研究会・森本による講演も行い、場所ごとにたくさんの花を紹介しました。

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この県民白山講座は、8月と10月にも違うテーマで開催されます。白山をよりディープに楽しむために、ぜひ参加してみてください。

詳しくはコチラ→「県民白山講座②山の日記念企画・白山研究最前線」「県民白山講座③白山の自然・歴史と楽しみ方」(いしかわ自然学校ホームページ)